四人家族で生活していると、毎月の食費をなるべく節約したいと考えるもの。しかし、食費を節約すると決めても「食費をどの程度節約すればいいのか?」「四人家族の食費の一般的な水準はいくらなのか?」という疑問が湧くことがあるかもしれません。
この記事では、総務省が公表している家計調査の統計データをもとに、四人家族の平均食費を紹介します。平均食費を把握した上で、後半にて紹介する四人家族の食費を節約するコツを実践していただければ、無駄なく効果的に食費を節約できることでしょう。
四人家族で暮らしている方は、この記事を参考にして食費の節約に取り組んでみてください。
四人家族の食費平均は「86,245円/月」
総務省によれば、四人家族における1ヶ月の食費平均は「86,245円/月」です。参考までに、年代別の食費平均比較表をご覧ください。
平均 |
~34歳 |
35~39歳 |
40~44歳 |
45~49歳 |
50~54歳 |
55~59歳 | |
全体食費 |
86,245円 |
73,605円 |
79,888円 |
85,529円 |
94,966円 |
98,120円 |
97,495円 |
穀類 |
7,356円 |
5,656円 |
6,413円 |
7,917円 |
7,966円 |
9,071円 |
7,997円 |
魚介類 |
4,389円 |
3,603円 |
3,382円 |
4,369円 |
5,240円 |
5,599円 |
6,121円 |
肉類 |
9,337円 |
7,835円 |
7,655円 |
9,952円 |
11,381円 |
9,767円 |
1,2430円 |
乳卵類 |
4,947円 |
4,173円 |
5,026円 |
5,036円 |
5,131円 |
5,311円 |
4,432円 |
野菜・海藻類 |
8,078円 |
6,554円 |
7,178円 |
8,452円 |
8,761円 |
9,636円 |
9,715円 |
果物 |
2,384円 |
1,771円 |
2,593円 |
2,240円 |
2,299円 |
2,887円 |
2,585円 |
油脂・調味料 |
4,085円 |
3,379円 |
3,766円 |
4,189円 |
4,820円 |
4,094円 |
4,622円 |
菓子類 |
9,175円 |
8,207円 |
9,148円 |
8,954円 |
9,715円 |
9,711円 |
9,028円 |
調理食品 |
11,443円 |
9,413円 |
10,682円 |
9,937円 |
12,656円 |
14,448円 |
14,223円 |
飲料 |
5,350円 |
4,682円 |
5,170円 |
5,044円 |
5,622円 |
6,365円 |
5,870円 |
酒類 |
2,289円 |
1,954円 |
2,043円 |
2,258円 |
2,775円 |
1,931円 |
4,223円 |
外食 |
17,412円 |
16,3880円 |
16,833円 |
17,181円 |
18,599円 |
19,299円 |
16,248円 |
参考:総務省「第3-8表 4人世帯(有業者1人)世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」
四人家族の食費の内訳を見てみると、「外食」が最も多くを占めており、「調理食品」がその次に多いということが分かりました。
調理食品は家族の人数にかかわらず10,000〜12,000円ほどですが、外食費は家族が1名増えるごとに約4,000円ほど上がっています。
四人家族の食費平均|年収別比較表
年代別の比較では家庭によって収入に大きな差が生まれるため、現実味のなさを感じる方がいるかもしれません。
以下は、四人家族における平均食費額を年収別にまとめた比較表です。年収250万円未満の食費データはありませんので、250~300万円未満から紹介します。
250~300万円 | 300~350万円 | 350~400万円 | 400~450万円 | 450~500万円 | 500~550万円 | 550~600万円 | 600~650万円 | 650~700万円 | 700~750万円 | 750~800万円 | 800~900万円 | 900~1,000万円 | |
全体食費 | 81,827円 | 58,637円 | 66,657円 | 61,040円 | 75,820円 | 70,759円 | 69,155円 | 77,635円 | 80,037円 | 81,286円 | 89,064円 | 93,887円 | 98,963円 |
穀類 | 5,414円 | 5,418円 | 6,791円 | 6,211円 | 7,595円 | 6,897円 | 6,790円 | 6,580円 | 7,256円 | 6,653円 | 6,253円 | 7,444円 | 9,262円 |
魚介類 | 3,323円 | 2,814円 | 3,754円 | 2,564円 | 4,142円 | 3,360円 | 3,381円 | 4,672円 | 3,510円 | 4,947円 | 4,879円 | 5,215円 | 6,084円 |
肉類 | 6,840円 | 7,448円 | 8,657円 | 7,806円 | 8,343円 | 8,236円 | 8,514円 | 8,414円 | 7,985円 | 8,506円 | 10,313円 | 10,059円 | 10,362円 |
乳卵類 | 6,590円 | 4,175円 | 3,267円 | 3,555円 | 4,128円 | 4,540円 | 4,513円 | 4,672円 | 4,884円 | 5,050円 | 4,686円 | 5,128円 | 4,945円 |
野菜・海藻類 | 5,554円 | 5,681円 | 7,943円 | 5,439円 | 7,031円 | 6,900円 | 6,179円 | 7,520円 | 7,832円 | 7,758円 | 8,654円 | 9,194円 | 9,957円 |
果物 | 1,664円 | 1,229円 | 1,944円 | 1,258円 | 1,632円 | 1,968円 | 2,038円 | 1,876円 | 2,012円 | 2,008円 | 2,986円 | 2,377円 | 3,166円 |
油脂・調味料 | 2,635円 | 2,863円 | 3,468円 | 2,964円 | 3,333円 | 3,573円 | 3,397円 | 3,902円 | 3,864円 | 3,977円 | 3,764円 | 4,482円 | 4,787円 |
菓子類 | 12,401円 | 6,596円 | 7,248円 | 6,077円 | 7,664円 | 7,252円 | 6,970円 | 9,689円 | 8,841円 | 8,729円 | 6,967円 | 9,972円 | 10,140円 |
調理食品 | 13,140円 | 7,589円 | 9,500円 | 8,957円 | 11,338円 | 9,222円 | 8,739円 | 10,495円 | 10,850円 | 9,870円 | 13,974円 | 11,062円 | 12,150円 |
飲料 | 7,277円 | 3,939円 | 4,341円 | 3,820円 | 4,006円 | 4,320円 | 4,861円 | 5,121円 | 5,210円 | 5,183円 | 6,391円 | 5,944円 | 6,076円 |
酒類 | 4,002円 | 635円 | 1,248円 | 2,513円 | 2,107円 | 2,638円 | 1,447円 | 2,223円 | 2,333円 | 2,993円 | 5,654円 | 2,551円 | 1,853円 |
外食 | 12,987円 | 10,249円 | 8,407円 | 9,876円 | 14,499円 | 11,854円 | 12,325円 | 12,471円 | 15,459円 | 15,612円 | 14,544円 | 20,460円 | 20,181円 |
参考:総務省 家計調査「第2-7表 4人世帯(有業者1人)年間収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」
外食の比率がもっとも大きいのは前述のデータと同じですが、年収が高いほど外食が比例して高くなるというわけではありません。むしろ年収250~300万円よりも年収300万円~450万円の方のほうが平均では食費を抑えていることが分かります。
食費の節約を考える際は外食は月1万円以内、全体食費では6~7万円前後を意識すると良いでしょう。
四人家族の理想的な食費を算出してみよう
4人家族の平均的な食費の支出に関してを知ることはできましたが、実際に自分の家庭ではどれくらいの食費が理想なのかを知りたいという方もいるでしょう。
「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2023年(令和5年)平均結果の概要」では、家庭における消費支出に占める食料費の割合を示すエンゲル係数が27.8%であるという調査結果が出ました。
そのため、家庭の消費支出が月に25万円であれば約6.9万円~7.0万円ほどが月の理想的な食費です。
ぜひ、家計簿などを参考にあなたの家庭の理想的な食費を計算してみてください。
四人家族の食費節約術7選
続いて、節約する方法を7つ紹介します。
- 家計簿で日常の食費やお金の出入りをチェック
- 食費の範囲を設定して「食品」よりも「食材」を選ぶ
- 特価品や売り切れ間近の商品を利用する
- 自炊を心がけて、コンビニやデリバリーはほどほどにする
- 日常の買い物で貯まるポイントを活かす
- 安価でも必要以上の量は購入しない
- 食材は使い切る前提で購入する
節約を始めること自体はとても簡単ですが、何よりも毎日継続することが大切です。まずは1週間分の目標食費額を設定し、上記の節約術を参考に少しづつ食費を抑えることから始めてみましょう。
家計簿で日常の食費やお金の出入りをチェック
四人家族で食費を節約するには、家計簿で日常の家庭における食費やその他のお金の出入りを確認することからスタートしましょう。
ここまでにお伝えした四人家族の平均食費と自分の家族の食費を比べるためにも、ざっくりでもいいので必ず確認するようにしてください。
家計簿というと苦手な方も多いでしょうが、お金の動きを把握できれば家計簿以外の手段でもOKです。最近では食費管理を簡単にできるスマホアプリがたくさんあります。
「調味料」「肉類」のように細かく分けると続かない恐れがあるので、「食費」や「外食」といったように、ざっとした分類で管理するのがおすすめです。
その上で、毎月の食費に使う合計予算を決めておけば、日々のやりくりがしやすくなり想定よりも大きく上回りにくくなるでしょう。
食費の範囲を設定して「食品」よりも「食材」を選ぶ
食費を抑えるには、まず食費の範囲を設定することが重要です。範囲を設定しないと、残金で思わず無駄なものを買ってしまう可能性があります。
さらに、調理された「食品」ではなく、肉や魚、野菜などの「食材」を選んだほうが値段はお得です。食材を選ぶときも、セールや特価の情報をチェックして、できるだけ安く抑えられるものを見つけてみましょう。
特価品や売り切れ間近の商品を利用する
食費を節約するには、特価品や売り切れ間近の商品を上手に利用することが重要です。スーパーによっては、毎週特価品を出していることもあります。よく使う食品の特価日に合わせて買い物に出かけるように計画を立てておけば、食費を自然に節約できるでしょう。
同じく、すぐに消費する食品は売り切れ間近の商品を買うのも1つの方法です。ただし、売り切れ間近のお惣菜商品を買いすぎると、節約に逆効果になることもあります。売り切れ間近の商品を購入するときも、必要なものを必要な量だけ買ってください。
売り切れ間近の商品を買いすぎないためには、事前にメモを作っておくと便利です。「メモに書いたもの以外は買わない」と決めておき、売り切れ間近の商品についても「メモに記載の商品があれば買う」といったスタンスでいれば勢いで判断して買いすぎることを防げます。
自炊を心がけて、コンビニやデリバリーはほどほどにする
今日の世の中では、いつでもコンビニで食べ物を購入できますが、先述した通り「食品」は「食材」に比べて値段が高いです。流行りのフードデリバリーサービスも、配達料や労務費などが加算されているので、店で食べるよりも高くつきます。
便利なサービスであることは間違いないですが、四人家族の食費を抑えるためには、自分で料理をして作り置きすることが大切です。調理する時間が取れるときは、なるべく自分で食事を作るようにしましょう。職場や学校にも、お弁当を持参するのがおすすめです。
日常の買い物で貯まるポイントを活かす
食費を削減する方法の1つとして、日常の買い物で貯まるポイントを利用するのがおすすめです。生活用品を購入する際にポイントカードを出せば、支払った金額の一部がポイントとして戻ってくるので、そのポイントで食費を節約できます。
最近はdポイントやPayPayなどのポイントサービスを使えるお店が多くなっているので、食べ物を注文するときにもそのポイントを使うと便利です。
洗濯用品やトイレ用品などの生活用品を買うするときは、ポイントが貯まるお店でショッピングすることを忘れないようにしましょう。
安価でも必要以上の量は購入しない
スーパーなどで買い物をする際に特売セールを行なっているとついつい購入したくなってしまうという方もいるでしょう。
しかし、必要以上に食材をまとめ買いしても少ししか使わず、傷ませてしまうということもあります。
例えば、キャベツが1玉で値段が安かったとしても、野菜は特に足が早いため、使いきれないということも多いでしょう。その場合、1玉ではなく半分などにカットされているものを購入するのがおすすめです。
もし、過去に使わずに腐らせてしまった経験があるという方は必要以上の量を購入することは控えるようにすると食費を節約することができます。
食材は使い切る前提で購入する
その日の料理に必要だからと言って多くの食材を買っていると、ほとんど使わずに捨てる食材が多く出てきます。
そのため、食材は基本的に一週間以内に使い切る前提で購入しましょう。あらかじめ大まかな献立を立てておくのも手段のひとつです。
もし、野菜の切れ端等が出てしまったという場合にはタッパーなどにまとめて入れて、冷蔵庫にしまっておくようにしてください。
そして、次に料理をするときはそのタッパーから食材を消費していくようにすると食材のロスが減るので、結果的に無駄な食費の発生を防げます。
食費だけじゃない!四人家族におすすめの生活費の節約術
「食べ物は国内産やオーガニックを選びたい」「子どもにはたっぷりと栄養を与えたい」などの理由で、食費の節約が難しいと感じることもあるでしょう。そんなときは、家庭で発生する食費以外の生活費を見直してみるのも1つの手です。
以下のように四人家族の暮らしでは、さまざまな出費が発生します。
- 家賃
- 電気代・ガス代などの光熱費
- インターネット代
- 電話代
- 日用品
- 洋服
- 車の維持費
- 保険料
その中でも、簡単に始められて節約効果が大きいものは以下の3つです。
- 電気代・ガス代などの光熱費
- 車の維持費
- 保険料
それぞれの節約術について、詳しく解説します。
電気代・ガス代などの光熱費
電気代やガス代などの光熱費は、節約の対象となる費用の1つです。電気・ガスは自由化が進んでおり、契約する会社は自分で選べます。会社によって料金プランが違うため、見直すとお得になるかもしれません。
ただし、ガスの自由化は一部の地域や条件に限られており、適用されない場合もあります。契約状況や住んでいる場所によっても異なるので、しっかりと確かめておきましょう。
車の維持費
四人家族では、コンパクトカーやミニバンといった、5人乗り以上の車種が人気です。ところが、普通車は軽自動車よりも維持費が高い傾向にあり、注意が必要です。
子供の進学でお金が必要な時期に、自動車税の支払いや車検などが来ると、ひと月の出費が増えてしまい負担が増えます。車の維持費を抑えたいときは、月額料金で車に乗れるカーリースへの切り替えがおすすめです。
保険料
現在保険に加入しているという方は、契約している内容を再度確認して、不必要な契約をしていないか確認をしましょう。
不必要な契約があった場合には契約内容を変更し、無駄な支出が出ないようにするのがおすすめです。
現在の家族構成で本当に必要な契約内容なのか、保険の範囲は適切なのかをこの機会に確認してみてください。
まとめ:四人家族世帯は食費以外の生活費を見直そう
この記事では、四人家族の平均的な食費や節約のコツについて紹介しました。食費は節約する費用の項目として候補に上がりやすいですが、過度な見直しは身体的・精神的にも悪影響となってしまいます。
収入によっても異なりますが、家庭での食費の平均額よりもかなり高いと感じる場合は食費の見直しを考えてみましょう。平均的な食費で済んでいる場合は、食費以外の通信費や光熱費などの費用をチェックしてみてください。