大学生になると、バイトや旅行、サークルやボランティアなど新しいことにチャレンジをする機会が増えます。しかし、楽しいことが増えると同時にさまざまなリスクが伴うのも事実。
自分や他人に怪我をさせたり、物を壊してしまったりと、思いがけないトラブルに巻き込まれる可能性があります。
そんなとき、自分で責任を負わなければなりません。自分の貯金や親の援助だけでは対処できない場合もあるでしょう。
この記事では、大学生における保険の必要性や加入すべき保険の種類を紹介します。一人暮らしの大学生で保険の必要性に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
大学生も保険に加入すべき!大学生の保険加入率
大学生の保険加入状況はどうなっているのでしょうか。生命保険文化センターによる2022年度の調査によれば、大学1・2年生の年代である18〜19歳の生命保険の加入者は25.4%にとどまっています。
※参考:公益財団法人生命保険文化センター「2022(令和4)年度「生活保障に関する調査」(2023年3月発行)」
一方、20歳代の保険加入率は51.5%と大幅に増えていますが、これは20〜29歳の全般を見た数字です。すでに社会人となっている方も含まれているので、大学生の保険加入状況としては参考にしづらいかもしれません。
大学生の年代である18〜22歳を調査対象にすれば25.4%よりは多くなるでしょうが、せいぜい30%程度であると推察できます。
大学生が保険に入るべき理由とは?考え得る3つのリスクについて
大学生になると、新しいことに挑戦する機会が増えます。
- 一人暮らしを始める
- サークルに参加する
- 友達と旅行する
しかし、同時にさまざまなリスクにも遭遇する可能性が高くなるため、以下の3つのリスクについてチェックしておきましょう。
- 自分の病気・ケガ
- 他人への賠償責任
- 一人暮らしの火災リスク
自分の病気・ケガ
大学生の年代でも重い病気にかかったり、ケガをしたりすることは十分あり得ます。特に、一人暮らしの場合は病気やケガのときに助けてくれる人が近くにいない率が高いでしょう。
また、車やバイク、自転車などを利用すると交通事故に遭うリスクも高くなります。例えば、レンタカーで友達と旅行に出かける方や、バイクで通学する方は交通事故の危険性が高いといえます。
自分の病気やケガに対処するためには、医療保険に入っておくのがおすすめです。
他人への賠償責任
他人のものを壊したりケガをさせたりすると、賠償責任を負わなければなりません。車やバイク、自転車などを運転するときは、特に気をつけなければなりません。
また、サークル活動で何か問題が起きて相手にケガをさせたり、相手のものを壊したりすることも十分あり得ます。仲間内で起きたこととはいえ、自分に過失があると判断されれば損害賠償を負うことになります。
どんなに注意して生活を送っていても、賠償リスクは日常生活につきもの。賠償責任に備えるためには、損害保険に入っておくと安心です。
一人暮らしの火災リスク
一人暮らしをする場合は、火災のリスクも忘れてはなりません。自分の部屋で火災が発生したら、家具・家電に加え、部屋の壁や床などが損傷するかもしれません。
部屋の火災が起きた場合は、自分で修理したり、家主に修理費を支払ったりしなければなりません。
火災リスクに応じて火災保険に入っておくといいでしょう。火災保険に入っておくと、火災で失ったものや損傷したものの費用を一部または全額保障してもらえます。
大学生が加入すべき保険6選
大学生でももしもの時や将来のことを考えて保険に加入するのは大切なことです。
大学生が加入しておくべき保険は下記の6つがあります。
- 他者への賠償を補償できる保険
- 学費を支払うための育英費用保険
- 一人暮らしをしている人向けの火災保険
- 自動車・バイクの保険
- 海外旅行・海外留学保険
- 万が一のための生命保険(死亡保険)
それぞれどのような保険なのかを1つずつ確認していきましょう。
他者への賠償を補償できる保険
自分の過失によって他者の所有物を破損させてしまったり、怪我を負わせてしまった場合の損害賠償の責任を補償してくれるのが個人賠償責任保険です。
法律上、損害賠償を被った場合に保険金が支払われるという仕組みになっています。
もちろん、他人に迷惑をかけないことが大切ですが、もしもの時のために入っておくのがおすすめです。
できるだけ事故を起こしたりしないように、ながらスマホやイヤホンをつけながらの自転車走行など危険が伴う行為は避けるようにしましょう。
学費を支払うための育英費用保険
奨学金を借りた上で、自分でもアルバイトをして学校に通っているという人もいますが、親が学費を払ってくれている方も多くいるでしょう。
そんな方が親にもしものことがあった場合、学費を支払うことができなくなってしまい、退学することになってしまいます。
そのような事態を避けるために加入しておきたいのが育英費用保険です。
こちらに加入していれば、親権者が亡くなるもしくは高度障害になった場合に、保険金が支払われるという制度です。
自動車保険などと一緒に加入されることもあるため、加入状況は親に聞いてみて入っていなければ変更できるか確認してみてください。
一人暮らしをしている人向けの火災保険
一人暮らしをしている中で、火災が起こってしまった場合に対応するために火災保険に入るのも大切です。
保険の内容によっては窃盗に対する補償がついている場合もあるので、火災以外にも対応することができます。
一人暮らしをする上で万が一に備えるのは重要なことなので、さまざまな保険会社の中から条件に見合うものを探して加入を検討してみてください。
自動車・バイクの保険
運転が好きで、自動車やバイクに乗るという方は、自動車保険・バイク保険に加入するようにしましょう。
自分は大丈夫だと思っていても、周囲の環境によって事故を引き起こしてしまう恐れもあるので、万が一に備えておくのが大切です。
自動車やバイクによる事故で大きな怪我を負わせてしまった場合は多額の賠償請求をされることが多いため、自分の財力では支払きれないということもあるでしょう。
そこで、自動車保険・バイク保険に加入していれば、もしもの時にも対応することができます。
海外旅行・海外留学保険
海外へ留学へ行った後に、海外で体調不良や怪我に見舞われた際は日本と異なり、高額な医療費を請求されることもあります。
そのため、支払能力がないと満足に治療を受けることができず、生活に支障をきたしてしまう恐れがあります。
そこで、海外旅行・海外留学保険に加入しておくことで、病気や怪我に加えて盗難のリスクに備えることが可能です。
万が一のための生命保険(死亡保険)
大学生のうちはまだまだ元気だから死亡時のことを考えて保険に入ろうとする方は少ないかもしれませんが、生命保険に加入しておくのもおすすめです。
生命保険に加入していれば、自分に万が一のことがあった場合に遺族へ資産を残すことができます。
また、早めに生命保険へ加入しておくことで、保険料の支払額が安くなるため、大学生からの加入を検討してみてください。
保険のメリット・デメリットを知って大学生活を楽しもう
大学保険に限らずとも、保険加入の際はメリットとデメリットを把握することが大切です。以下では、大学保険に考え得るメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
大学生が保険に加入するメリット
大学生が保険に加入するメリットは、以下の2つです。
- 医療費の負担を軽減できる
- 家財の補償が可能
医療費の負担を軽減できる
大学生が保険に加入することで、急な病気やケガによる医療費の負担を軽減できます。たとえば、部活動の試合中にケガをしてしまった場合、治療やリハビリに掛かる費用を保険で補填できたら安心です。
学業やアルバイト、その他のアクティブな活動に影響を与えることなく、安心して治療に専念できるでしょう。
家財の補償が可能
また、家財を補償する保険に加入することで、大学生活において大切なアイテムや住居を守ることができます。
盗難に遭った場合や、自宅の火災によって大事なノートパソコンやスマートフォンが破損してしまったとしても、保険に加入していることで急な損失からくる経済的な負担を軽減できます。
大学生が保険に加入するデメリット
大学生が保険に加入するデメリットは、以下の2つです。
- 保険料の支払いが必要
- 特定の条件や制約事項がある
保険料の支払いが必要
具体的なデメリットのひとつは、保険料の支払いです。保険に加入するためには、保険料を支払う必要があります。保険の種類や保険会社によりますが、1年ごとにまとめて支払ったり、4年間分を一括前払いしたりすることもあります。
いずれにしても、保険料は予算に影響を与える多大な出費であるため、学生生活においては慎重な計画が必要となります。
特定の条件や制約事項がある
保険契約には特定の条件や制約事項が含まれることがあります。たとえば、契約内容によっては日常生活全般における事故がすべて補償される一方で、講義中や学校内での事故に限定される場合も。
契約をする際には、各種条件や制約事項をよく理解し、注意深く確認することが重要です。特に、保険提供の範囲や条件について十分な認識を持っておくことで、必要な時にしっかりと補償を受けることができます。
保険への加入がおすすめな大学生の特徴4選
公的な保険のサービスは提供されていますが、もしもの時に備えて民間の保険に加入することも大切です。
大学生の中でも特に保険への加入がおすすめなのは下記のような方々です。
- ひとり暮らし中の大学生
- 車・バイクによく乗る大学生
- スポーツに取り組む機会が多い大学生
- 海外へ行く機会のある大学生
高校生までとは移動手段が変わったり、生活環境が変わったりとさまざまな変化が起こるので、もしもの時に備えて保険への加入を検討していきましょう。
ひとり暮らし中の大学生
大学生になってからひとり暮らしという方も多いですが、ひとり暮らしに慣れていないため、ガスの管理や戸締りなどのトラブルを引き起こしてしまう恐れがあります。
もちろん、自分で注意をして事故を引き起こさないことが大切ですが、もしもの時に備えて火災保険等には加入しておくのが良いでしょう。
仮に火災を引き起こしてしまった場合には個人の責任となり、迷惑をかけた周囲の住人から損害賠償等を要求されたときに対応できなくなってしまいます。
車・バイクによく乗る大学生
18歳からは車の免許が取れるようになり、車に乗って集団で出かける機会が増えたり、バイクが好きで移動で頻繁に利用をするという人も多いでしょう。
そんな方が運転中にどれだけ気をつけていても周囲の予測できない要因によって交通事故を引き起こす恐れがあります。
本人に非があった場合は車やバイクの損害に対する請求だけでなく、医療費を要求されることも多いため、乗り物に乗る人は必ず保険に加入するようにしましょう。
スポーツに取り組む機会が多い大学生
運動部に加入していたり、頻繁に運動をするサークルに入っていたり、身体を動かす機会が多いという方は保険に加入しておくのがおすすめです。
運動をしていると予期せぬ怪我に見舞われることもあり、場合によっては治療費が高額になることもあります。
そのような事態に備えて、事前に医療費を賄うことができる保険に加入しておきましょう。
海外へ行く機会のある大学生
大学に在学している期間は海外へ留学に行く機会があるという場合も考えられますが、海外で怪我や病気になってしまった際は日本の健康保険は適用されません。
そのため、医療費が高額になることも多々あり、治療を受けられないこともあるでしょう。
そのような事態に備えて、海外留学保険(海外旅行保険)に加入しておけば、海外での医療費や盗難、飛行機の遅延などさまざまな事態に対応することができます。
もしも、病気にかかってしまった場合に個人で支払える金額以上を請求されても安心なので、ぜひ加入を検討してみてください。
大学生向け保険に関するよくある質問
大学生協が提供する保険について、疑問点が解消しきれていない方がいるかもしれません。以下では、大学生協保険に関するよくある質問と回答について紹介します。
自分の大学に生協がないときはどうすればいい?
大学生協は、すべての大学にあるとは限りません。もし、自分が通う予定の大学に生協がなかったら、大学生協の共済保険などに入れないのでしょうか。
安心してください。自分の大学に生協がなくても、諸条件さえクリアすれば大学生協の保険に加入できます。
条件とは、自分の大学がある地域や都道府県に「インターカレッジコープ」という組織があること。組合員になることで、大学生協の保険に入ることができます。
もしくは、
- 兄弟姉妹が生協のある大学に在籍していて生協の組合員である
- 同じ家族で2親等以内の人が大学生協組合員
であれば、組合員の人が契約者、組合員でない人が被保険者として保険に入ることができます。ただし、契約者である組合員が組合から抜けたり、大学を卒業したりしたら、保険の加入はできなくなりますのでご注意ください。
友達と一緒に住むとき、火災共済は入れるの?
大学に入学すると、アパートや寮で一人暮らしを始めることもありますよね。その際、友達と一緒に住むという選択肢もあります。では、友達と一緒に住むときに火災共済は入れるのでしょうか。
友達と一緒に住むときでも、火災共済に入ることはできます。ただし、保障の対象となるのは、被保険者の持ち物や被保険者が原因で起こした借家人の損害のみです。
友達の持ち物や、友達が原因で起こした借家人の損害は保障されません。そのため、一緒に住む友達が火災共済などの保険に入っていなかったら、トラブルにならないように加入を勧めてみましょう。
在学中に保険に入りたくなったら?
大学入学の時点で共済保険に入らなかったとしても、在学中に保険が必要だと感じることがあるかもしれません。
大学生協では、在学中にも共済保険に入ることができます。ただし、保障が始まるのは、手続きを行い申し込んだ日の翌日からです。
申し込む前に起きたことには保障が適用されません。共済保険に新しく入りたいときは、大学生協の窓口に問い合わせましょう。
持病がある場合、どんなことを伝えないといけない?
保険というと、持病のことを申告しないといけないと思うかもしれません。では、大学生協の共済保険に入るとき、持病がある場合にはどんなことを伝えないといけないのでしょうか。
大学生協の共済保険に入るときに伝えるべきことは、以下の2つです。
- 保険の申し込み日に入院中である
- 保険の申し込み時点で「病気で1年以内に入院や手術をする必要がある」と医師にいわれている
上記2つに当てはまらない場合には、持病のことを伝える必要はありません。ただし、申し込んだときにすでに病気になっていたり、伝えていた病気で入院や手術をしたりした場合には、保障を受けることができません。
ただし、新しく入った後に1年が経過したら共済金がもらえることもありますので、保障の詳細は大学生協に聞いてみましょう。
まとめ:大学生は保険に入るメリットとリスクを比較しよう
この記事では、大学生における保険の必要性を始め、必要性を感じる方向けにおすすめの保険商品を紹介しました。
大学生限定で加入できる保険は格安であるため、もし加入を検討されている場合は以下の4種類から選ぶのがおすすめです。
- 学生総合共済
- 学生賠償責任保険
- 学生のための総合保険
- 学生教育研究災害傷害保険
保険金が支払われる条件や範囲などが明確に定められていますので、保険に加入する前に、よく調べてから決めましょう。