引受基準緩和型保険に入るべき?入れる人・入れない人の特徴やデメリットを解説

「持病があるから」と保険の加入を不安に思っていませんか。実は、健康状態に制約があっても入りやすい「引受基準緩和型保険」というものが存在します。

しかし、引受基準緩和型保険には良い面だけではなくデメリットもあります。そのため、内容をしっかりと理解して、自分にぴったりの保険を選ぶことが重要です。

この記事では、引受基準緩和型保険の仕組みやメリット・デメリット、選ぶときのポイントについて解説します。

目次

引受基準緩和型保険とは?

引受基準緩和型保険とは、保険会社が設ける引受基準が通常の生命保険・医療保険よりも緩い商品のことです。

引受基準緩和型医療保険は医療保険の一種で、「引受基準緩和型定期保険」や「引受基準緩和型終身保険」という死亡保険もあります。

保険の申込みを行う際は、自分自身の健康状態や病気の経験などを、保険会社に伝えなければなりません。ところが、引受基準緩和型医療保険は、最初から告知することが少なく引受基準がゆるいため、持病のある人や病歴の多い人でも加入しやすいという特徴があります。

引受基準緩和型保険に入るべきかデメリットを踏まえ決めよう

引受基準緩和型保険には、次の3つのデメリットがあります。

  • デメリット①保険料が高い
  • デメリット②特約の種類が少なめ
  • デメリット③給付金の減額期間が存在する

デメリット①保険料が高い

通常の生命保険や医療保険と比べて、保険料の高さがデメリットです。一般的な保険料よりも高額で、終身保険の方が定期保険よりも人気なケースもあります。

保険料が高い理由としては、給付金の支払い確率が高いと、その分が保険料に加算されるからです。特に既往症や健康上の事情がある方は、給付金の支払い確率が高いので保険料も高くなります。

ただし、持病の悪化や病気の再発が生じた場合にも保障を受けられるため、通常の保険に入れなかった方にはおすすめです。

申し込みを検討されている方は、自己負担額や免責事項などもよくチェックすることをおすすめします。

デメリット②特約の種類が少なめ

他の保険と比較すると、“特約の種類が少ない”という特徴があります。そのため、特約によって個々の状況に合わせた対応ができないことが多いため、前もって注意しておきましょう。

また、商品によって加入後1年間は保障の給付金が半額になることがあれば、引受基準により保険の対象外となる疾患も存在します。

申し込みをする前には、必ず引受基準をチェックし、自身の持つ病気が保障されるかどうかを確かめましょう。

デメリット③給付金の減額期間が存在する

引受基準緩和型保険には、給付金の減額期間というものがあります。保険に入った後の一定の期間、給付金が半分ほどに減らされる仕組みです。

たとえば、「入会日から1年間は給付金が半分になる」という契約を結んだとします。このとき、入院給付金が1日5,000円の保険でも、発効日から1年間以内の入院では、もらえる給付金は2,500円になります。

さらに、既往症や持病と関係ない入院や手術においても給付金が減額されてしまう可能性があります。

詳細については保険会社によって異なるため、気になる保険を見つけた際には細かくチェックすることが大切です。

引受基準緩和型保険に入るべきかメリットを踏まえ決めよう

引受基準緩和型保険には、次の2つのメリットがあります。

  • メリット①一般的な保険と比べて告知項目が少なく審査が緩い
  • メリット②既往症や健康上の事情でも保障される

メリット①一般的な保険と比べて告知項目が少なく審査が緩い

医療保険に入る際には、保険会社の審査が必要です。審査では、今の健康状態や持病、既往症などの告知をします。

一般的な医療保険の告知は10項目ほどですが、引受基準緩和型保険は3項目前後の告知のみで申し込みができます。

主な告知内容は次の通りです。

  • 3カ月以内に、医者から入院や手術を勧められた
  • 2年以内に、病気や怪我で入院や手術をした
  • 5年以内に、がん・肝硬変・統合性失調症などの診断や治療を受けた

参考:生命保険文化センター「医療保障に関するQ&A」
上記は一例であり告知の内容や項目数は保険会社によって違いますが、一般的な保険よりも審査が緩いことに変わりありません。

既往症や健康上の事情のある方にとっては、メリットが大きいといえるでしょう。

メリット②既往症や健康上の事情でも保障される

普通の保険では、既往症や健康上の事情は特定部位の保障がないか、もしくは保険に入れないかのどちらかです。その点、引受基準緩和型保険では、加入前に患っていた既往症や健康上の事情が悪くなった・再発した場合においても保障されます。

ただし、加入時に医師に勧められていた入院や手術は保障されないことが多いので、気をつけてください。

引受基準緩和型保険に入るべき?保障内容は?

一般的な保険と同じように、引受基準緩和型医療保険は、入院給付金や手術給付金などの保障を提供します。引受基準緩和型定期保険や引受基準緩和型終身保険についても、生命保険と同様に被保険者の死亡時に死亡保険金が支払われます。

さらに、引受基準緩和型保険は、加入前にかかっていた病気も基本的にはカバーされます。

引受基準緩和型保険には、加入後に一定期間は保険金が減額されるものと、最初から保険金が満額で支払われるものがあります。そのため、加入する前に保障内容をよく比べてみましょう。

引受基準緩和型保険の人気おすすめランキングTOP3

引受基準緩和型保険に入るべきか検討したら、実際に販売されている保険商品についてチェックしておきましょう。以下では、引受基準緩和型保険の人気おすすめランキングTOP3を紹介します。

  • 第1位:チューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムZ ワイド」
  • 第2位:メディケア生命「メディフィットRe(リリーフ)」
  • 第3位:オリックス生命医療保険「キュア・サポート・プラス」

第1位:チューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムZ ワイド」

引受保険会社
チューリッヒ生命
保険商品正式名称
無解約払戻金型終身医療保険(Z03)(引受基準緩和型)
契約可能年齢
20~85歳
保険期間
終身
保険料払込期間
終身
保険料払込方法
口座振替、クレジットカード払い

健康状態が心配な方でも、病気やケガで入院・手術が必要になったときに備えることができる終身医療保険です。

健康状態が心配な方でも、入院・手術の保障を得ることができます。さらに、がん対策や健康回復給付金など、多彩な特約からお客様のニーズに応える保障を提供しています。
参考:チューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムZ ワイド」

第2位:メディケア生命「メディフィットRe(リリーフ)」

引受保険会社
メディケア生命
保険商品正式名称
限定告知型医療終身保険(無解約返戻金型)
契約可能年齢
20~85歳
保険期間
終身
保険料払込期間
終身
保険料払込方法
口座振替、クレジットカード払い

一生涯保障の医療保険で、健康状態に不安のある方でも3つの告知項目にすべて「いいえ」と答えられれば、加入できます。

先進医療や死亡保障なども、特約を追加することで選択可能。既往症や健康上の事情がある方を始め、現在病気で薬を飲んでいる方や、過去に入院や手術の経験がある方に向けた医療保険です。
参考:メディケア生命「メディフィットRe(リリーフ)」

第3位:オリックス生命医療保険「キュア・サポート・プラス」

引受保険会社
オリックス生命
保険商品正式名称
無配当 引受基準緩和型医療保険(2019)・引受基準緩和型先進医療特約(2019)
契約可能年齢
20~85歳
保険期間
終身
保険料払込期間
終身
保険料払込方法
口座振替、クレジットカード払い

持病や入院・手術の履歴がある方でも加入しやすくするために、引受けの条件を柔軟にした保険商品です。

先進医療を利用した際には、給付金に加えて一時金も支払われますので、治療に集中できます。また、特約を追加すれば、死亡保障も用意できます。持病や入院・手術の履歴がある方でも一生涯にわたって保障される医療保険です。
参考:オリックス生命医療保険「キュア・サポート・プラス」

引受基準緩和型保険の注意点

引受基準緩和型保険は、既往症や健康上の事情があっても加入しやすい保険ですが、その分、いくつかの落とし穴があります。

以下では、いくつかの注意点について解説しますので、加入する前にしっかりと確認してください。

  • 通常の保険と比べて毎月の保険料が高い
  • 最初の1年間は保険金が減額される可能性が高い
  • 特約を選ぶときは、告知内容が変わることもある

通常の保険と比べて毎月の保険料が高い

引受基準緩和型保険は、健康状態が良くない方でも加入しやすいように、告知項目を少なくしています。しかし、その分毎月の保険料は通常の生命保険や医療保険と比べて高い値段になっています。

契約の内容や被保険者の年齢によっては、通常の保険よりも1.5倍から2倍くらいの保険料を支払わなければならない場合もあります。

最初の1年間は保険金が減額される可能性が高い

多くの引受基準緩和型保険では、契約後1年間は支払われる保険金が半分以下になります。指定期間を超えると保険金が全額に戻りますが、その前は保障が十分でないかもしれません。

契約時から全額の保険金がもらえる引受基準緩和型保険も存在するので、保障期間について気になる方は、選択肢の1つとしてチェックしてください。

特約を選ぶときは、告知内容が変わることもある

引受基準緩和型医療保険は、特約を追加できる場合があります。しかし、特約を選択すると元々の引受基準緩和型保険とは告知内容が変わる可能性があります。

さらに、特約の保険料は高めです。特約を選ぶ際は、自分が望む保障が普通の生命保険や医療保険で受けられないかを調べることが大切です。

引受基準緩和型医療保険に入る前に確認すべきこと

医療保険は、どうしても必要なものというわけではありません。引受基準緩和型医療保険を選ぶ前に、以下のことをチェックしておきましょう。

  • 加入する理由を明らかにする
  • 通常の医療保険の加入可能性をチェックする
  • 自分の貯金や国の制度で対応できるか検討する

加入する理由を明らかにする

持病を持っていると保険に入れるか不安に感じるのは当然ですが、加入する理由をはっきりさせておきましょう。

保険というのは基本的に期待値がマイナスの商品です。払った保険料よりも多くのお金が戻ってくる商品もありますが、それは必要な保障分の保険料を上回る分を保険会社が貯めて投資しているからです。

保障分だけを考えると期待値はマイナスです。不安だからという理由で加入するのではなく、加入する理由をはっきりさせておきましょう。

通常の医療保険の加入可能性をチェックする

「持病があるから…」「以前重い病気にかかったから無理だろう…」などと通常の医療保険を諦める前に、まずは通常の医療保険に加入できるかどうかチェックしてみましょう。

症状の重さや治癒からの期間などによっては、通常の医療保険に入ることができる場合もあります。

引受基準緩和型は加入しやすい反面、いろいろな不利な点があるため、通常の医療保険に入れるならそちらのほうがおすすめです。

まとめ:引受基準緩和型医療保険は目的をはっきりさせて選ぼう

引受基準緩和型医療保険は、持病や病歴があっても入りやすく、持病が悪化したり再発したりしても保障が受けられるという特徴があります。

しかし、保険料は高めになっていたり、保障の範囲が限られていたりするというデメリットもあります。申し込みをする前に、保険の内容を十分に把握して、自分がどういう目的で入るのかを明確にすることが大切です。

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