貯金2,000万円を超えたら老後も安泰?より効率よく資金を増やすには?

貯金額の目標は人それぞれでしょうが、「2,000万円」という大きな目標をもって毎日コツコツお金を貯めている人もいるのではないでしょうか。あるいは、すでに貯金額が2,000万円を超えている人もいるかもしれません。

しかし、2,000万円あれば本当に安泰と言えるのでしょうか。老後破産を起こさないためにも、貯金2,000万円を更に効率的に増やすことも考えるべきです。

本記事では貯金2,000万円を超えた人にこそおすすめしたい資産運用方法と、貯金2,000万円を超えてもリスクをとった資産運用をするべき理由について紹介します。

目次

貯金が2,000万円を超えるのは難しい?年代・年収別に解説

すでに2,000万円を得ている人ばかりではなく、今まさに2,000万円超えを目指して貯金を頑張っている人もいるでしょう。実際、貯金が2,000万円を超えている人は、どのくらいいるのでしょうか。

金融広報中央委員会が公表している「令和5年(2023年)家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」の結果から、貯金が2,000万円を超えている人の割合を年代別に紹介します。

20代で2,000万円を貯めている人の割合は、わずか2.9%
20代で2,000万円を貯めている人の割合と、平均的な貯蓄額は以下のとおりです。

※金融資産を保有していない世帯を含む

20代の二人以上世帯
2,000万円以上の貯蓄割合
2.9%
平均貯蓄額
249万円
貯蓄額の中央値
30万円

2,000万円以上の貯蓄をしている20代はわずか2.9%です。中央値を見ると30万円であり、2,000万円も貯蓄できているのはごく一部の高年収な職業についている人だけでしょう。

30代では6.6%が2,000万円を貯金している
30代で2,000万円を貯めている人の割合と、平均的な貯蓄額は以下のとおりです。

30代の二人以上世帯
2,000万円以上の貯蓄割合
6.6%
平均貯蓄額
601万円
貯蓄額の中央値
150万円

30代は平均貯蓄額が601万円と20代から大きく伸びており、資産運用や副業収入などの工夫によって貯金額が2,000万円を超える可能性も十分にある年代だといえます。

40代でも2,000万円を貯めているのは11.8%に留まる
40代で2,000万円を貯めている人の割合と、平均的な貯蓄額は以下のとおりです。

40代の二人以上世帯
2,000万円以上の貯蓄割合
11.8%
平均貯蓄額
889万円
貯蓄額の中央値
220万円

この年代から2,000万円以上の貯蓄をしている人が全体の10%を超えてきます。平均でも889万円、中央値でも220万円の貯蓄額があります。

子どもに手がかからなくなることでフルタイムの共働きが可能になれば世帯収入アップが期待できますし、昇進による年収アップも狙える年齢でもあることから、2,000万円を超えることも十分に可能でしょう。

50代・60代でようやく貯金の平均値は1,000万円にも届く

50代・60代で2,000万円を貯めている人の割合と、平均的な貯蓄額は以下のとおりです。

50代の二人以上世帯
2,000万円以上の貯蓄割合
16.6%
平均貯蓄額
1,147万円
貯蓄額の中央値
300万円

60代の二人以上世帯
2,000万円以上の貯蓄割合
30.0%
平均貯蓄額
2,026万円
貯蓄額の中央値
700万円

50代以降は人生で年収がもっとも高い時期であり、人生の三大出費である子どもの教育費用がかからなくなる年齢です。また、退職金や相続などで資産額が大きく増えやすい時期でもあります。

全体の約30%が2,000万円以上の貯蓄をしていることからも分かる通り、2,000万円の貯蓄を目指すならチャンスの年代といえます。ただし、中央値が700万円ということからも、貯蓄額が二極化していることも読み取れます。

年収1,200万円以上でも2,000万円以上貯金しているのは約半分

今度は年齢ではなく、年収別に「2,000万円以上の貯蓄がある人」の割合を見てみましょう。

年収
貯蓄額が2,000万円以上の割合
300万円未満
8.5%
300~500万円未満
15.3%
500~750万円未満
19.1%
750~1000万円未満
26.6%
1000~1200万円未満
39.3%
1200万円以上
43.1%

高年収の人ほど貯蓄額は多い傾向にありますが、年収1,200万円の人でも半分の人しか2,000万円の貯金ができていません。

貯金が2,000万円あれば老後資金は足りるのか

貯金2,000万円だけで老後生活が安泰であれば、無理にリスク性商品に投資する必要はありません。

しかし、結論からいってしまうと、2,000万円の貯金があっても老後は安泰、とはいきません。冒頭から「元本保証だけでなくリスク性商品への投資もおすすめ」としてきたのは、これが理由です。

2,000万円の貯金があっても老後生活が安心できないのか、公的データを元に計算してみましょう。

年金・退職金の前提条件を考える

老後資金として使うことになるお金は、主に以下の3つです。

年金
退職金
現役世代からの貯金

貯金が2,000万円あるとして、年金と退職金をどれくらい得られるでしょうか。

日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」によると、令和4年4月分から受け取れる夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な厚生年金額は「230,483円」でした。

一方、厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」によると、2021年の日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳です。

夫婦2人で65歳から年金を受け取り始めて85歳まで生きるとすると、「219,593円×12ヵ月×20年=約5,531万円」という結果になりました。

退職金は、厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」によると、大学・大学院卒の管理・事務・技術職の平均が1,896万円でした。

【前提条件】
65歳の夫婦で夫が大卒会社員の場合、退職金と年金で7,427万円を得ると仮定する
貯金2,000万円を合わせると「9,427万円」

最小限の生活でも老後資金が不足する可能性がある

公益財団法人 生命保険文化センターの「令和4年度 生活保障に関する調査」によると、老後の最低日常生活費は月額で平均23.2万円です。老後の20年間を最小限の生活で過ごすとしても、「23.2万円×12ヵ月×20年=5,568万円」がかかる計算です。

最低限度の生活であれば、年金・退職金・貯金2,000万円があれば十分に過ごすことはできそうです。

ただし、年金に関しては自営業者は国民年金のみであり、令和4年度は満額で受け取っても月64,816円にしかなりません。

退職金の支給もなく、貯金2,000万円と年金(64,816円×12ヵ月×20年=約1,555万円)で生活すると考えると、自営業者では最小限の生活も厳しいということになります。

ゆとりある生活では2,000万円でも足りない!

一方、ゆとりある老後生活費は月37.9万円が必要とされています。

「37.9万円×12ヵ月×20年=9,096万円」となり、会社員で厚生年金と退職金を受け取るという前提でも不足する可能性があることが分かります。

貯金2,000万円を貯めるためのポイント

貯金2000万円はかなりの大金であり、何となく毎日を過ごしているだけでは達成できません。ここでは、貯金2000万円を達成するためのポイントとして、以下の5つを解説します。

  1. いつまでに貯めたいのかを決める
  2. 収入と支出を見直す
  3. 資産運用を行う
  4. 固定費を見直す
  5. 口座を分けて貯金を行う

いつまでに貯めたいのかを決める

2000万円という大金を貯めたい場合、いつまでにお金を貯めたいのか目標を明確にすることです。

目標があれば、「毎月いくら貯金したほうが良いのか」が明らかになります。

老後資金として貯めたい場合、ライフプランを作り込んで老後にいくらの資金が必要かを試算してみましょう。

収入と支出を見直す

効率良く貯金するうえでは、毎月の収入・支出のバランスを把握することが大切です。具体的には、毎月の収入と支出を「家計簿」にまとめてみましょう。

家計簿をつければ使途不明なお金や無駄使いが明確になり、支出の見直しが容易になります。スマートフォンで家計簿を付けられる「家計簿アプリ」を利用すると銀行口座やキャッシュ決済と連携されて自動的に家計簿が作られていくこともあり、ノートに書き出す時間も必要ありません。

資産運用を行う

毎月の貯金だけで2000万円を集めることは、非常に難しいです。例えば30歳の人が60歳までに2000万円を貯めたいとすると「2000万円÷12ヶ月÷20年=8万3,333円」となり、毎月8万4000円ほどを貯金する必要があります。

一方、仮に年利4%で資産運用ができれば、60歳まで毎月3万円の投資ができれば達成できる計算です。

参考:ファンドの海

固定費を見直す

生活費の見直しをすることで、余分な支出を減らし、その分だけ毎月の貯金額を増やす方法もあります。

なかでもインパクトが大きいのは、毎月必ず固定で発生する「固定費」の見直しです。

固定費には「家賃」「生命保険料」「水道光熱費」「スマートフォン代金」などが該当します。一度見直せばその後ずっと節約効果が続くため、年間支出を効率的に削減したいなら真っ先に節約に着手したいところです。

口座を分けて貯金を行う

効率良く貯金して2000万円の資産を貯蓄するなら、貯蓄用口座と生活費用の口座は別にしておきましょう。貯金と生活費を1つの口座で管理していると、「どこまでが貯金で、どこまでが生活費か」が分からなくなり、貯金に手をつけてしまうことも考えられます。

給料が入った直後に目標貯金額を貯蓄用口座に入金するように「先取り貯金」を設定しておけば。目標金額を確実に増やせるでしょう。

貯金2,000万円を超えるための資産形成方法

今はまだ貯金2000万円に達していない方は、今後にさらに効率的に資産運用を進めるためにも、2000万円の貯金を目指しましょう。

ここでは、貯金2000万円を目指す方法として、以下の資産形成方法をご紹介します。

  1. 転職や副業で収入を増やす
  2. 収入が増えても無駄遣いはしない
  3. 生活資金は投資に使わない

転職や副業で収入を増やす

てっとり早く貯金を増やすのに支出の節約は効果的な方法ですが、節約には限界があります。貯金を一気に増やすなら、「収入を増やす」ことも同時並行で進めましょう。

まず、会社のなかで年収アップができないか検討しましょう。「昇進」「資格取得」などができれば基本給がアップし、生活レベルを上げなければ貯金できる金額は大きくアップするでしょう。

資格取得は資格手当を得られるだけでなく履歴書に記載することもでき、次に紹介する転職活動にも役立ちます。

社内で大幅な年収アップが難しい場合。転職も検討しましょう。

いまの会社とは全く異なる給与テーブルが採用されている会社に転職することができれば、今迄と同じような仕事でも年収が大きく上昇することも考えられます。

ただ、いまの会社を辞めて転職することにリスクを感じる人も多いはず。そこで「副業」という方法もあります。帰宅後や休日の時間を使ってネット副業や実店舗でのアルバイトによって、スピーディに年収アップが可能です。

収入が増えても無駄遣いはしない

収入が上がると余剰資金が上がるので、やろうと思えば生活水準を上げることができます。

ただ、頑張って収入を上げたのは、貯金2000万円を達成するためです。収入が上がった分だけ税役をすると貯金額を増やすことができず、本末転倒になってしまいます。

一度「これくらいなら大丈夫だろう」と贅沢をしてしまうとストップできなくなり、無意識のうちに生活レベルが上がってしまっていることも考えられます。

定期的に収入と支出を見直し、無駄遣いが増えていないか確認してみましょう。

生活資金は投資に使わない

資産形成をスピーディに進めるには「資産運用」をすることがおすすめであると本記事では解説しています。

ただ、生活資金は資産運用につぎ込まないように注意が必要です。もし投資先の銘柄の株価や基準価額が暴落すると、生活費が大きく目減りする可能性もあります。

万が一ゼロになっても当面の生活に支障がない、余剰資金を使って資産運用をすることが鉄則です。

貯金2,000万円を超えても資産運用が必要な理由

貯金が2000万円を超えたからといって、安心するのはまだ早いです。老後にゆとりのある生活を送りたいなら、さらに高額の資産を形成しておくほうが良いでしょう。

ここでは貯金2000万円を超えた人が資産形成をする理由について紹介します。

貯金をしてもリスクはある

貯金=ノーリスクと考える人は多いですが、この認識は正しくありません。

現金の預金は金利が年0.1%未満であることが多く、年に数%以上の物価上昇が起こった場合に資産が実質的に目減りする可能性があります。

また、銀行が倒産した場合、確実に保証されるのは1銀行につき1000万円とその利息までです。仮に2000万円を1つの銀行に預けていると、資産の半分を失う可能性があります。

老後資金が2,000万円以上かかることもある

2019年ごろ「老後2000万円問題」という言葉が良くニュースに登場したことを覚えている方も多いのでは?

約2000万円という数字は、2人暮らしの高齢世帯の生活に必要な支出と収入を比較した際の不足額が月約5.5万円、3年で1980万円になるというのが根拠です。

ただ、あくまでも平均値での話であり、貯金2000万円あれば安泰という事ではありません。例えば現役時代は自営業で働いた人は国民年金しか受け取れないので、毎月の赤字額はさらに多くなります。

また、「老後でも現役世代くらい趣味にお金を使いたい」「身体が弱く病院に通いがち」という人も平均よりお金がかかることが考えられます。

あくまでも2019年の平均の話であることを念頭に、ご自身の場合の老後の不足額がいくらなのかをシミュレーションすることが大切です。

日本円の価値が下がっている

日本円の価値が目減りすることで、2000万円の価値が下がってしまうことも考えられます。

2024年現在はさまざまな原材料や商品の値上げが続いているだけでなく、歴史的な円安傾向が続いています。

例えば車の材料を輸入する金額が高騰して、300万円の車が600万円出さないと買えなくなるとしましょう。このような物価高と円安の世界では、貯金が2000万円のままでは実質的に価値が半減していると考えられます。

物価上昇や円安にも負けないくらい効率的に資産形成を進めるためにも、資産の一部を投資に回すことは大切です。

年金の受給額が下がる恐れがある

年金制度は将来のために積み立てていると思っている方もいますが、実際には今の現役世代が納めている年金保険料や健康保険料は、今の高齢世代を支えています。

日本においては少子高齢化が深刻な社会問題になっており、高齢者1人を支える若者の人数がどんどん少なくなっています。

将来的に高齢者を支える若者がさらに半減すれば高齢者に支給される年金額が減少したり、年金というしくみ自体が破綻したりする可能性もあります。

年金が受け取れなくなるリスクがゼロではないため、自助努力で老後の資金を獲得する必要があるわけです。

貯金2,000万円を超えた人におすすめしたい資産運用・投資方法

貯金が2,000万円を超えたら守ることも重要ですが、さらに効率的に資金を増やすために資産運用も検討しましょう。

元手が大きい方が、より効率的に資産運用を進められます。

また、貯金を2,000万円に近づけたいという方も資産運用がおすすめです。

具体的におすすめできる資産運用方法は「投資信託」「不動産投資」「株式投資」「ヘッジファンド」の4つです。

おすすめ1.投資信託

投資信託は、多くの投資家から資金を集めて、集まった資金を運用会社やファンドマネージャーといったプロが運用する投資商品です。

運用を通じて得た利益は、投資した口数に応じて分配が行われるタイプの投資信託もあります。元本は保証されていませんが、最小100円から投資できるため、高額投資にリスクを感じる人でも気軽に始められるでしょう。

後述する「株式投資」では投資対象を自分で決めなければいけませんが、投資信託は投資する企業はすでに決められているため、詳細な分析をしなくても始められるメリットもあります。

なかでも、「日経平均株価」「ダウ平均」といった有名な指数に連動した値動きを目指すインデックスファンドなら、指数に含まれる全銘柄に間接的に投資することによって自然とリスクを抑えた分散投資が実現します。

おすすめ2.不動産投資

不動産投資はマンションやアパート等の賃貸物件を購入し、貸し出すことで家賃収入を得たり、値上がりした物件を売却したりすることで利益を得る投資法です。

空室にならない限り安定した家賃収入(インカムゲイン)を獲得でき、株式と比較して価格変動リスクが小さいというメリットがあります。ローンを利用すれば少額からでも物件を購入できるため、自己資金が2,000万円もあればレバレッジを効かせて大きな金額で投資できます。

一方、空室が発生した分だけ家賃収入が減少する点がリスクです。また災害によって建物が倒壊するリスクもあります。

現物を保有することを避けるなら、現物ではなく不動産を投資対象にした不動産投資信託(REIT)に投資する選択肢も検討しましょう。

日本のREITはJ-REITとも呼ばれており、収益の90%以上を分配するなど一定の条件を満たすことで法人税が免除されることから、高い利回りを期待できます。

関連記事:不動産投資の始め方とは?初心者向けの基礎知識や成功のコツも解説

おすすめ3.株式投資

株式投資は、企業が発行する株式を購入し、値上がったときに売却して売却益(キャピタルゲイン)を得たり、長期保有して定期的に配当金(インカムゲイン)を得たりする投資方法です。

一部のプロが短期売買しているイメージを持っている方もいるかもしれませんが、長期保有することで配当金や株主優待といった特典を継続して得られ、長期投資にも向いています。

ただし、投資信託と違って自分で投資先の企業を見極める必要がある点が注意点です。企業ごとに業績や将来性が異なり、その違いは株価に反映されます。業界全体が好調でも、投資した企業の株価だけが下がる、ということも考えられます。

どの株式でも良いわけではなく、配当利回りや株式の成長性、株価が今の業績や将来性と比較して割安かどうかといった個別分析も必要になります。

株式には大まかに「グロース株」「バリュー株」がありますが、長期投資を考えるならおすすめはバリュー株です。

ソニーやMicrosoft、AppleなどのIT関連のハイテク株は「グロース株」と呼ばれ、大きく株価が上昇する可能性があります。一方で悪条件によって株価が下がることも多く、株式を購入するタイミングを間違えて高値掴みをすると含み損が大きくなるリスクがあります。

グロース株の多くは配当金がない、または少ないため、配当金を得て損失を埋めることも難しいでしょう。

一方のバリュー株は食品や金融、エネルギーなど成熟したジャンルの株のことです。将来への期待から一気に値上がりすることは少ないものの、株価の上下はマイルドな傾向にあります。グロース株が不調になると注目を集めるため、投資時期を見極めることで売買差益を狙うこともできます。

高配当の株式も多く、定期的に配当金や株主優待を得ることで比較的低リスクに運用できるでしょう。

関連記事:資産形成の方法は?株で資産運用するメリット・デメリットを解説

おすすめ4.ヘッジファンド

ヘッジファンドは投資信託と同じく、投資家から集めた資金を運用会社やプロのファンドマネージャーが運用する方法です。

基本的な仕組みは投資信託と同様ですが、証券会社を通じた公募がないことに特徴があります。

また、投資信託は市場全体が不調な場合は含み損が発生しますが、ヘッジファンドは市場が不調のときに利益が出る投資も行うことで、市場がどんな状況でも利益を狙います。

現物の株価が下落している時は、先物取引で売り建ててリスクヘッジをする
現物を購入する資金がない時でも、先物取引で買いを建てて利益を狙う

このような運用の判断を運用会社に任せることができ、初心者でも利益を狙いやすい点がメリットです。

ネックになるのは「公募がされていない」ことですが、資産が2,000万円を超えた人なら大口投資家と認められて投資に参加するチャンスは十分にあります。

おすすめ5.NISA

2024年から新制度がスタートした「NISA」も、資産形成のためにぜひ取り入れたい制度です。

NISAは、「NISA口座(非課税口座)」の中で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度です。

2024年から始まった新NISAでは「成長投資枠」「つみたて投資枠」が併用可能でき、投資限度額は成長投資枠が従来から2倍の年間240万円、つみたて投資枠は3倍の年間120万円まで増額しました。

非課税期間も無期限になって終わりを気にせずに投資できます。

おすすめ6.iDeCo

iDeCo「個人型確定拠出年金」の愛称です。自分自身で掛金を拠出して運用商品を選び、自分自身で運用する私的年金制度です。運用した元本と利益の合計額は最短60歳以降でないと受取れませんが、「掛金の拠出」「運用」「受け取り」のそれぞれで税制優遇を受けられます。

まず、NISAと同様、運用期間中に得た利益は非課税です。また、「掛金の全額が所得控除になる」というNISAにはないメリットもあります。

拠出した掛金に応じて課税所得が安くなって所得税や住民税が安くなるので、ぜひ節税と資産形成を同時に進めたい方はぜひ利用しましょう。

おすすめ7.債券投資

債券は、国や企業が資金調達のために発行する借用証書のようなものです。債券を購入すると決められた金利から計算された利子を半年ごとに受け取れるようになり、満期には元金が返済されます。

日本の国債で有名なのは「個人向け国債」でしょう。利回りが低い一方で国の信用があり、利率の最低保証もあることから着実に資産形成をしたい方に向いています。一方、海外の債券は利回りが高い分ですが、国のデフォルトや企業の倒産などのリスクを含んでいる場合があります。

おすすめ8.財形貯蓄

財形貯蓄は、給与を受け取る際に一定金額を天引きする形で、企業が連携する銀行の口座に自動的に貯金できる制度です。

毎月の給与から自動的に天引きされるので支払い忘れなく、毎月確実に貯金できます。目的に応じて「住宅用」「年金用」「その他」の3種類があり、住宅用と年金用は一定額まで利益が非課税になります。

ただし、所属する企業が財形貯蓄制度を導入していることが前提の制度であり、個人事業主や自営業の方は利用できません。会社員なら誰でも利用できるわけではなく、利用できる人は限られています。

おすすめ9.積み立て型の保険

積立型の貯蓄保険に加入することで資産運用することも可能です。

例えば「低解約返戻金型就寝保険」は保険料払込期間中は返戻率が70%前後と低い一方、保険料が割安であり、保険料払込期間を満了したあとの返戻率が100%以上になることがあります。

返戻率が100%を超えたあと任意のタイミングで解約することで解約返戻金を得ることができ、老後の資産としても利用できます。

もちろん、解約せずに契約を続ければ、本人が亡くなったあとに遺族に死亡保険金を残すこともできます。

貯金が2,000万円を超えてもおすすめできない資産運用・投資方法

貯金が2,000万円を超えたら、投資信託や株式投資による配当金・株主優待などを利用して効率良く資産形成を進められます。

一方、貯金が2,000万円を超えたとしても、あまりおすすめできない投資方法もあります。

おすすめできない1.元本保証の金融商品のみによる資産運用

貯金が2,000万円を超えた方のなかには「リスクをとって資産を減らしたくない……」と考えてしまう人もいるでしょう。もちろん、全額をリスク性商品に投資する必要はなく、資産のうち、損失を被っても我慢できる範囲内で投資をすることが鉄則です。

ただ、元本が保証された金融商品だけで資産運用する、ということはおすすめしません。

2023年4月現在、大手メガバンクの普通預金の金利は0.001%、定期預金でも0.002%程度です。2,000万円を全額定期預金に1年間預け入れたとしても、得られる利息は税引き前でもわずか400円程度。

たしかに元本は保証されますが、これではより効率的に資産を増やすことはできず、インフレして物価が上昇すると実質的に財産が目減りすることも考えられます。

おすすめできない2.ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングは、「お金を貸したい個人投資家」と、「お金を借りたい企業」をマッチングさせるサービスのことです。融資型クラウドファンディングとも呼ばれています。

仕組みとしては、「不特定多数の投資家から資金を集め、最低成立金額に達した場合に企業に融資する」というものです。

募集時に決められた想定金利で利益を受け取れるメリットがありますが、以下のように不確実な要素が多いデメリットもあります。

元本保証は確実ではない
資金拘束される期間が長い
ソーシャルレンディング会社の倒産のリスクがある

ソーシャルレンディングでは元本保証がない案件も多く、もし貸し倒れが発生すると投資家は元本の回収ができなくなります。

また、運用期間が数ヶ月~2年程度と長く、運用期間中の解約もできません。売りたい時にすぐ売却できる投資信託や株式投資と違って資金拘束期間も長くなってしまいます。

加えてソーシャルレンディング会社は証券会社よりも歴史が浅く、大手の証券会社と比較すると倒産リスクも見過ごせません。

このように不確実なリスクが多いことが、貯金2,000万円を超えた人の投資方法としては強くおすすめができない理由です。

資産運用をする際の注意点

貯金2000万円を超えたら、さらに資産を増やすべく資産運用を始めたいところですが、元本保証されていない金融商品も多いです。

資産運用を始める前に、以下の注意点は把握しておきましょう。

  1. 全額投資をするのは避ける
  2. リターンを狙ってリスクを上げすぎない

全額投資をするのは避ける

資産運用はうまくいけば年利10%以上と、通常の預金では考えられなくくらいの利回りになることもあります。

ただ、持っている貯金や生活用の資金、万が一のときの生活防衛資金まで、全て投資につぎこむことは避けてください。

景気は常に変動しており、いつ「リーマンショック」「コロナショック」クラスの金融危機が発生するか分かりません。全額を投資につぎ込んでしまうと、一時的にでも資産が半分以下になってしまう可能性があります。

投資をするときは、万が一ゼロになっても影響がない余剰資金のみで行うことが鉄則です。

リターンを狙ってリスクを上げすぎない

どのくらいの値動き(リスク)に耐えられるかは、人によって異なります。大きなリターンを狙って銘柄選定をすると値動きが大きくなりすぎ、一時的な下落に耐えられずに売却しえT損失を確定させてしまう可能性もあります。

投資は長期での運用が基本なので、仮に一時的に暴落しても売却せずに持ち続けられる値動きのリスクに収まるように、銘柄選定をしましょう。

貯金2000万を超えた場合に関するよくある質問

最後に、貯金2000万円を超えた場合のよくある質問と回答をまとめました。本格的に資産運用を始める前に気になる方は読み進めてみてください。

貯金は2000万を超えていれば十分ですか?

いいえ、十分とは言い難いです。

公益財団法人 生命保険文化センターの「令和4年度 生活保障に関する調査」によれば、老後の最低日常生活費は「月額平均23.2万円」です。老後が20年続くとして、を最小限の生活で過ごすとしても、「23.2万円×12ヵ月×20年=5,568万円」がかかります。

貯金2000万でも足りない理由はなんですか?

2024年現在、円安や物価高の問題もあり、将来的に2000万円の価値が目減りする可能性があります。

将来的に物価が現在の2倍になったと仮定する場合、2000万円の貯金があっても実質的に1000万円分の価値しかなくなってしまいます。

今後もインフレや物価高騰が進むと考えると、2000万円よりも多くの資産を持つに越したことはないでしょう。

老後2000万時代と言われていますが、貯金2000万あれば大丈夫ですか?

老後2000万円問題では「老後の資金が2000万円不足する」と試算されていましたが、あくまでも平均的な試算の話です。人によって退職金の有無や年金額などが異なるため、実際にはもっと多くの不足が生じることがあります。

貯金を増やすためのコツはありますか?

貯金を増やす方法には「転職」「副業」「資格取得」な収入を増やす方法と、支出を減らして節約によってお金を余らせる方法があります。

まずは固定費の見直しをすることで毎月の支出を継続的に減らすことができ、貯金できるお金を増やせます。

一度貯金額が増えても贅沢をするとまた支出が増えるため、定期的に見直しが必要です。

貯金2000万ある場合も資産運用は必要ですか?

はい、むしろ、貯金2000万円があるからこそ資産運用が必要です。

普通預金は年利0.02%くらいしかなく、2000万円を預けていても資産はほとんど増えません。

資産運用をすると元本割れのリスクが生じる一方。、年3~10%ほどの利回りを得ることも可能です。

資産運用以外に貯金を増やす方法はありますか?

毎月の支出を節約することでお金を余らせる方法のほかに、年収をアップさせることで毎月の収入を増やし、先取り貯金する金額を増やす方法もあります。

例えば一部の資格を取得をすることで資格手当がつき、毎月5000円の手当をもらえるようになるとしましょう。その5000円をそのまま津尾金に回せば年間で6万円も緒御金wp増やせます。

同様に、「昇進」「転職」「副業」といった方法で収入を増やして生活レベルを今のまま維持すれば貯金額の増額が可能です。

どのような資産運用の方法がおすすめですか?

代表的な投資には「投資信託」「不動産投資」「株式投資」「債券投資」「不動産投資信託」などがあります。

どの投資が適しているかは、目標とする利回りやリスク許容度によって異なるため、ご自身に合う投資商品を考えてみると良いでしょう。

ご自身のリスク許容度が低い場合は、「貯蓄型の保険に加入して資産運用する」「債券に投資する」などの方法もあります。

一方、多少のリスクなら我慢できるなら「投資信託」「株式投資」など、値動きが比較的大きな金融商品も取り入れると良いでしょう。

資産運用をするときに注意することはありますか?

「あまりに高いリスクの投資は避ける」ということを意識しましょう。高いリターンばかりを意識して投資をすると値動きの大きさに耐えきれず、短期間で売却してしまって長期的な資産形成ができない可能性があります。

また、生活用の資金まで投資につぎこまないことも大切です。

口座は1つにまとめておいた方が良いですか?

いいえ、早いうちに「給与受け取り・支払用の口座」と「貯金用の口座」に分けておくことをおすすめします。

貯金用口座と給与受け取り用口座が1つになっていると、何円まで貯金しているか把握できず、せっかくの貯金を使ってしまうリスクがあります。

避けておいた方が良い資産運用方法はありますか?

あまりにリスクが高い投資や投機は避けたほうが良いでしょう。リスクが高いと値動きんも激しく、せっかく貯めたお金が一気に減少する可能性もあります。

特に「レバレッジ」というしくみで実際に持っている資産よりも大きな取引ができるFXや仮想通貨(暗号資産)などは予想と逆の値動きをすると大損する可能性もあるので注意が必要です。

まとめ:2,000万円の貯金でも十分とはいえない!効率良い資産運用を

長年勤めあげた会社員であれば、退職金と厚生年金の分もあって貯金2,000万円で老後を過ごすことは可能です。ただ、趣味を思い切り楽しむような「ゆとりある生活」には不足する可能性もあることが分かりました。

今まさに2,000万円を目標に貯金している方も、すでに貯金額が2,000万円を超えてしまった人も、老後の安泰を目指すなら更に効率的な資産運用を検討することをおすすめします。

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