学資保険は不要?加入するメリットとデメリットを徹底比較します

子供が生まれると、教育資金について早速考えをめぐらせる人も多いのではないでしょうか。早ければ、出産前から教育資金の準備を始める人もいるでしょう。

教育資金の準備のために学資保険に加入する人がいる一方、「学資保険は不要」と考える人もいます。

そこで本記事では学資保険は本当に不要なのかという点を、加入するメリット・デメリットを比較しながら解説します。また、学資保険以外の教育資金の準備方法もご紹介しますので、それぞれのご家庭に合う教育資金の準備方法を選びましょう。

目次

学資保険についておさらい

学資保険とは、その名の通り子供が学校や大学で学ぶために必要な資金を準備するための保険です。教育費の中で一番負担の大きい大学費用を貯めるために加入する人が多く、貯蓄性保険として知られています。

契約時に定めた保険料を支払うことで、子供の大学入学時や卒業時に「満期金」としてまとまった金額を受け取ることができます。商品によっては小学校・中学校・高校の入学といった節目に、お祝い金としてお金を受け取ることも可能です。

契約者と被保険者(子供)の年齢によって保険料が異なり、契約者と被保険者が若いほど返戻率も高くなります。また、出生前に加入できる保険もあります。

保険料を払い込む期間や払い込む頻度によって返戻率が異なるため、返戻率と毎月の保険料を比較することが重要です。学資保険の詳細や、教育資金の目安となる金額については以下で確認してください。

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関連記事:大学の学費はどう準備する?学資保険の特徴や返戻率を詳しく解説

学資保険に加入する3つのメリット

子供が大学に進学することを考えて加入する人も多い学資保険には、以下の3つのメリットがあります。

  1. 計画的に教育資金を準備できる
  2. 貯蓄性が高い
  3. 万が一の保障がある

①計画的に教育資金を準備できる

学資保険の最大の魅力は教育資金を計画的に準備できる点です。保険料として毎月一定額が強制的に引き去られるため、滞ることなく保険料を支払い続けた場合は契約通りの学資年金を手にすることができます。

教育資金として準備しておきたい金額、もしくは毎月の保険料として支払うことができる金額を元にプラン内容を決めるため、計画的に教育資金を準備できます。

②貯蓄性が高い

大手金融機関の普通預金利率は年0.001%程度であることが多く、仮に銀行にお金を預けたとしても利息はほとんどつきません。一方の学資保険は、返戻率が100%を超える商品を選んだ場合、支払った保険料の総額よりもさらに多くの学資年金が返ってくるため、銀行に預けるよりも貯蓄性は高いと言えます。

なお、返戻率は商品や保険料の払い込み期間などによって異なるためよく確認しましょう。

③万が一の保障がある

学資「保険」という名の通り、学資保険には保険商品としての保障が付加されています。学資保険の契約者が亡くなった場合、以後の保険料を払い込むことなく学資年金を受け取ることができる商品が多く発売されており、貯蓄と保障を併せ持つことができる点が特徴です。

例えば契約してから数年で契約者が亡くなったとしても、その後の保険料を支払わなくても学資年金が支払われます。

学資保険に加入する3つのデメリット

普通預金と比べて貯蓄性が高く、計画的に教育資金を準備できるメリットがある一方で、学資保険にはデメリットもあります。中でも中途解約は返戻率が低い点は加入前に必ず確認しましょう。学資保険に加入する3つのデメリットを解説します。

  1. 中途解約は返戻率が低い
  2. 物価の変動に対応できない
  3. お金を引き出すことができない

①中途解約は返戻率が低い

教育資金の積み立てを目的とする学資保険は、受け取りまで十数年間にわたって加入する保険です。そのため、学資年金の受け取り開始前に解約すると解約返戻金が払込保険料を下回る可能性が高い点が学資保険のデメリットです。

中途解約を避けるためにも、毎月の保険料は無理のない範囲で設定しましょう。

②物価の変動に対応できない

学資保険加入中に物価が変動した場合、その動きに連動しないのもデメリットの1つです。仮に物価が上がるインフレーションが起こったとしても、受け取り時の金額に反映されません。

そのため、インフレーションが起こった場合は相対的な資産価値は目減りします。より利率の良い商品に預け替えできないことを考え、学資保険の他に投資などを併用すると良いでしょう。

③お金を引き出すことができない

毎月保険料を支払うことで計画的な教育資金準備ができる反面、支払った保険料を自由に引き出すことができない点をデメリットと考えることができます。銀行預金を利用した教育資金準備の場合は自由にお金を引き出すことができるため、学資保険は資金の自由度が低いと言わざるを得ません。

契約途中でお金を引き出すことができない点を考慮して、積立金額を検討しましょう。

学資保険は必要?不要?学資保険に加入すべきケースとは

学資保険のメリット・デメリットを確認した上で、学資保険を利用すべき2つのケースを解説します。以下のいずれかのケースに該当する場合は学資保険の加入を検討すると良いでしょう。

ケース1:貯蓄が苦手

教育資金に限らず、貯蓄が苦手という人は学資保険に加入しましょう。毎月一定額を積み立てる学資保険を利用することで、確実にお金を貯めることが可能です。

学資保険に加入する際は、毎月の収支バランスの確認が必要です。無駄な支出がないかをチェックし、貯蓄を意識するとなお良いでしょう。

ケース2:万が一の保障を確保したい

先述の通り、学資保険は契約者の死亡時に以後の保険料の払い込みがなくても学資年金を受け取ることが可能です。そのため、教育資金の貯蓄と保障の双方を確保したい人は学資保険に加入すると様々なメリットを享受できます。

一般的に、学資保険の契約者は子供の父または母であることが多いため、どちらかが亡くなっても子供を大学に行かせてあげたい場合に必要な資金を確保することができます。

学資保険以外の選択肢も検討しよう

学資保険以外にも、子供の教育資金を積み立てる方法があります。特に児童手当は、中学校卒業までの子供を養育していると受け取ることができる公的な手当です。教育資金に充当できる貴重なお金ですので、使い道は十分検討しましょう。

学資保険以外の教育資金の準備方法として、以下の3つの方法を解説します。

  1. 児童手当
  2. 低解約返戻金型終身保険
  3. ジュニアNISA

①児童手当

中学校卒業までの児童を養育していると児童手当を受け取ることができます。児童手当の支給額は以下の通りです。

児童の年齢
児童手当の額(1人あたり月額)
3歳未満
一律15,000円
3歳以上小学校修了前
10,000円
(第3子以降は15,000円)
中学生
一律10,000円

参考:内閣府「児童福祉制度のご案内」

子供の生まれ月によって児童手当の総支給額は異なるものの、仮に第1子に支給される児童手当を全て貯蓄すると約210万円です。児童手当だけでもまとまった金額を貯めることができるため、できるだけ教育資金に回しましょう。

なお、一人親世帯で一定の所得以下の人は、児童扶養手当も支給されます。児童手当や児童扶養手当の詳細は以下でご確認ください。

関連記事:児童扶養手当に所得制限はあるの?支給要件や対象者も解説します

②低解約返戻金型終身保険

保険を活用して教育資金を準備する方法に、低解約返戻金型終身保険に加入する方法があります。低解約返戻金型終身保険は、保険料を支払っている間の解約返戻金を通常の70%程度に抑え、払い込みが終わると支払った保険料よりも多くの解約返戻金を受け取る仕組みです。

保険料の払い込み期間を5年や10年と短くすると、さらに返戻率が上がります。学資保険は子供の入学といったタイミングで学資年金を受け取る必要がありますが、この低解約返戻金型終身保険はずっと据え置くことができるため、受け取るタイミングは自由です。

③ジュニアNISA

2016年からスタートしたジュニアNISAは子供や孫の将来に向けた長期投資です。ジュニアNISAの概要は以下の通りです。

利用対象者
日本に居住する0~19歳
非課税対象
株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益
非課税投資枠
新規投資額で年間80万円
非課税期間
最長5年間
投資可能期間
2016年~2023年
運用管理者
口座開設者本人の二親等以内の親族

出典:金融庁「ジュニアNISAの概要」

表からも分かる通り、ジュニアNISAは2023年で制度が終了するため、関心がある場合は早めに口座を開設しましょう。なお、2023年の制度終了後も20歳になるまでは継続管理勘定と呼ばれる非課税の勘定に移管(ロールオーバー)可能です。

まとめ:学資保険は加入する前にメリット・デメリットを確認しよう

この記事では学資保険が本当に不要なのかという点を、学資保険のメリット・デメリット双方から解説しました。計画的に教育資金を準備したいと考える人や、学資保険ならではの契約者の保障に魅力を感じる人は加入を検討しましょう。

一方、途中で解約した場合の返戻率の低さや、物価の変動に対応できない点には注意が必要です。児童手当やジュニアNISAなど、学資保険以外にも教育資金を準備する方法があります。これらの制度も活用しながら、必要に応じて学資保険の加入を検討しましょう。

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