学資保険の代わりに終身保険が使える?それぞれの特徴とおすすめの人を紹介

子どもの教育資金準備に学資保険を検討する人は多いですが、代わりに終身保険に加入する人もいます。学資保険と終身保険は保障内容がまったく異なるので、「どうして終身保険が代わりになるの?」「どちらに加入するのがいいの?」と疑問に思う人もいるでしょう。

今回の記事では、終身保険が学資保険の代わりに使えるのかについて解説します。それぞれの保険の特徴とおすすめな人も紹介するので、子どもの教育資金準備を検討中の人は参考にしてください。

目次

終身保険は学資保険の代わりになる?

最初に、学資保険や終身保険の保障内容と、終身保険が学資保険の代わりになる理由について解説します。

学資保険とは

学資保険は、子どもの進学資金を準備するために毎月保険料を積み立てる貯蓄型の保険です。高校や大学進学に合わせて、祝い金(保険会社によって名称は異なる)などの一時金が支給され、18歳または22歳に満期保険金が支払われて保険契約は終了します。

親を契約者、子どもを被保険者として加入することが一般的ですが、契約者である親が死亡したとき、保険料の支払いなしで満期まで契約は継続します。親が死亡してからも祝い金や満期保険金が出るので、親の死亡保障も兼ねているともいえます。

また、特約として子どもの入院保障を付加することも可能です。医療特約を付加した場合、学資保険には、貯蓄・親の死亡保障:子どもの入院保障という3つの機能があるということです。

学資保険について詳しく知りたい人は、次の記事をご覧ください。
>>内部リンク(682.学資保険 月々5000円)

終身保険が学資保険の代わりになる理由

終身保険が学資保険の代わりになるといわれる理由は2つあります。それぞれについて説明します。

理由①終身保険には貯蓄性がある

理由の1つ目は、終身保険には貯蓄性があることです。

学資保険の主な目的は、進学に必要な資金を祝い金や満期保険金で賄うことです。進学のタイミングで終身保険を途中解約すれば、解約返戻金を学資に充てることができるため、学資保険の代わりに使うことができます。

終身保険を利用するのは、返戻率(払込保険料総額に対する解約返戻金額の割合)が比較的高いため、一定額の解約返戻金が期待できるためです。ただし、加入時の親の年齢や途中解約するまでの期間によっては、解約返戻金が少ないこともあるので加入前にきちんと確認しましょう。

理由②終身保険には親の死亡保障がある

理由の2つ目は、終身保険には親の死亡保障があることです。学資保険の代わりに終身保険へ加入する場合、親が契約者、被保険者になることが一般的です。

親が死亡した場合、遺族に死亡保険金が支給されます。学資保険の祝い金や満期保険金の代わりに、死亡保険金が支給されると考えると、学資保険の3つの機能の1つを終身保険で肩代わりできることになります。

終身保険には子どもに対する保障はない

学資保険に子どもの医療特約を付加した場合、貯蓄・親の死亡保障・子どもの入院保障という3つの機能があります。

前述の通り、終身保険には貯蓄機能や親の死亡保障があるため学資保険の代わりとして使えます。ただし、子どもの入院保障については親の終身保険ではカバーできないので注意しましょう。

終身保険を利用する場合、子どもの入院保障までカバーするには、別途子どもの医療保険に加入するなどの工夫が必要です。

学資保険と終身保険の比較

学資保険と終身保険のどちらを選択すればいいかを検討するために、貯蓄性と死亡保障について2つの保険を比較してみます。

貯蓄性(返戻率)の比較

貯蓄性(返戻率)を比較すると、一般的に学資保険のほうが返戻率は高くなります。

子どもの医療特約や養育一時金特約(※)などを付加しない場合、学資保険の返戻率(払込保険料総額に対する祝い金や満期保険金の割合)は100%前後です。
※契約者である親が死亡した場合に、一定額の死亡保険金を支払う特約のこと。

一方、終身保険の解約金の返戻率は、加入時の親の年齢や途中解約するまでの期間によって大きく異なりますが、100%を上回らない、またはかなり長期間加入しないと100%に届きません。

外資系保険会社A社の終身保険について、加入期間別の解約返戻率を試算してみます。契約者・被保険者は父親、35歳加入で60歳に保険料払込完了、死亡保険金額1,000万円、月払い保険料2万8,910円で試算します。

  • 加入5年後の返戻率:73.2%
  • 加入10年後の返戻率:85.9%
  • 加入15年後の返戻率:87.8%
  • 加入20年後の返戻率:89.8%

返戻率を重視して選択するなら、学資保険の方がいいでしょう。

死亡保障の比較

死亡保障を比較すると、一般的に終身保険のほうが保険金額は大きくなります。

前述の試算では、終身保険の死亡保険金額は1,000万円、月払い保険料は2万8,910円でした。

子どもが3歳のとき、父親を契約者として子ども18歳時に満期(保険料の支払いは15年間)、保険料2万8,910円の学資保険に加入、祝い金や満期保険金の返戻率を110%と仮定します。

加入後すぐに契約者が死亡した場合、保険料の支払いなしで今後受け取る祝い金や満期保険金の合計金額は約572万円です。

上記ケースでは、契約者である親が死亡した場合、終身保険なら1,000万円の死亡保険金、学資保険なら約572万円の祝い金や満期保険金が出ます。

死亡保障を重視する場合は、終身保険を選択しましょう。

教育資金の準備にはどちらがおすすめ?

2つの保険の貯蓄性や死亡保障の比較から、学資保険がおすすめの人と終身保険がおすすめの人を紹介します。

学資保険がおすすめの人

子どもの進学に合わせて確実にお金を受け取りたい人には、学資保険がおすすめです。高校進学時に〇〇万円、大学進学時に〇〇万円など、受け取り時期や受け取り金額が確定しているので安心です。

また、子どもの入院保障を含めて1つの保険で準備したい場合にも、学資保険を選択しましょう。

終身保険がおすすめの人

親に万が一のことがあった場合、より大きな保障を準備したい人には、終身保険がおすすめです。学資保険と比較すると、返戻率は低くなりますが、親の死亡時には大きな死亡保険金を受け取れます。

また、途中解約はいつでもできるため、受け取り時期を自由に決めたいと考える人にも、終身保険はおすすめできます。

なお、終身保険を選択する場合、一般的に保険料の払込期間が短いほど返戻率は高くなるので覚えておきましょう。

教育資金の準備にはつみたてNISAも選択肢

教育資金の準備には、学資保険や終身保険のほかにつみたてNISA(少額投資非課税制度)もおすすめです。

親がつみたてNISAを利用して投資信託などでお金を運用し、資金が必要なときに解約します。年間40万円までの投資に対し運用収益が非課税となるため、効率的な資産運用ができます。

ただし、運用がうまくいかないと元本割れするリスクがあるので注意が必要です。投資商品を分散する、投資商品の急な暴落を避けるために学費が必要になる前に早めに解約するなどの対策を行い、リスクの軽減を図りましょう。

学資保険とつみたてNISAの比較について詳しく知りたい人は、次の記事をご覧ください。
関連記事:>>内部リンク(679.学資保険 代わり NISA)

学資保険に関するよくある質問

学資保険に関するよくある質問について答えていきます。

学資保険は死亡保険の代わりになるのですか?

終身保険も学資保険同様に貯蓄性が高く、もしも親が死亡してしまった時の補償が手厚くなるので学資保険の代わりとして利用することも可能です。
終身保険を子供が大人になるタイミングで解約すれば積み立てていたお金を受け取ることもできます。

終身保険に加入するデメリットはありますか?

学資保険のみに加入するときと異なり、終身保険は保険料が高くつきます。
もしも、保険料を安く抑えたいという場合は学資保険を検討すると良いでしょう。

学資保険は途中解約できますか?

学資保険も途中解約することが可能です。
途中解約した場合でも返戻率が高いと言われますが、一定期間経っていないと払い戻される金額が少なくなる傾向にあります。
解約を検討している場合は返戻率が高くなるのを待ってからにするのがおすすめです。

学資保険は生命保険に分類されますか?

学資保険も終身保険同様に生命保険の1種として分類されています。
会社によって異なりますが、子供が18歳になった時などに満期になり、満期保険金を受け取ることが可能です。

まとめ:死亡保障を手厚くするなら学資保険の代わりに終身保険も選択肢

学資保険には、貯蓄と親の死亡保障、子どもの入院保障という3つの機能があります。終身保険にも、貯蓄と親の死亡保障という機能があるため、学資保険の代わりに終身保険を利用するケースもあります。

返戻率よりも親の死亡保障を重視する場合は、学資保険より終身保険がおすすめです。つみたてNISAという選択肢もあるので、それぞれの特徴をよく理解して自分にあった商品を選択しましょう。

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